富士見町町役場の1キロほど東側に、前々から管理人が気になっていた建築物があります。
写真手前の巨大橋梁は現役の中央線ですが、その奥に赤茶けた巨大橋が有るのがおわかりいただけるでしょうか。
これは何だろう?どう見ても鉄道橋です。今にも汽車が走ってきそう。ってこんな場所に線路なんか通ってたっけ??
しかし、よく見れば錆さび。とても現役とは思えません。現役でない鉄橋が撤去されずに残っているとも思えませんし。所有者がJR東海だとしたら撤去費用が無いってことは無いだろうし。不思議な橋です。
買い物ついでに探索してみることにしました。エコーラインから立場側沿いに細い道を降りていくと・・・橋がありました。
意外にも、ちゃんと歩道がありました。築堤の上は特に立入禁止になっていない模様。ていうか、下草もきちっと刈られていて、どうぞ歩いてくださいと言わんばかりです。かといって看板は無く、観光資源にはしていない模様。
階段を登ると、橋のたもとに出ました。
さすがに橋は立入禁止です。柵のあいだから鉄橋を観察します。竣工は1904年(明治37年)、なんと105年前です!。当時の橋梁技術を伝える貴重な鉄道遺構となっています。
谷に鉄道の音が鳴り渡りました。振り返ると、新線の橋梁をあずさが渡って行くところでした。旧線路上は南アルプスをバックに走るスーパーあずさの撮影ポイントとして良さそうです。
廃線上を歩いて見ることにしました。早朝なので霜が降りています。まだ枕木が残っています。
2,3分歩くとトンネルがありました。のどかな、いい雰囲気です。不思議な場所。
意外なことに、中に入る事が出来ました。(奥までは行っていませんが)。用水路として使われているようです。天井が剥離して、レンガが露出しています。レンガ造りの隧道だったのですね。
しかし、さびが酷いです。105年の風雨に耐えてきた鉄橋ですが、このままではそうそう保ちそうにありません。保存するには手遅れになりつつある気がします。
不思議な近代化遺産でした。橋やトンネルに入らなければ、特に危険もなく、手軽に105年前の鉄橋を観察することが出来ます。興味をもったら、一寸寄り道してはいかがでしょうか。
場所はこちらです。R20走っていて、富士見町の急な登りが続く直前のヘアピンから山側に入ります。大型車進入禁止の看板が立っていますが、1.2~1.5車線舗装路で特に通行に支障はありません。
通行量は少ないので、車やバイクは路肩の広くなっている場所に停められるでしょう。
河川敷はダートですが、道があって橋の真下に行くことも出来ます。